「パワーハラスメント防止措置が全企業に義務化で従業員を𠮟れなくなった」という声をよく耳にします。特に、中間管理職の方からは、こうおっしゃる方を多く見かけます。
果たして、そうなのでしょうか?
今一度、法の趣旨に立ち返り、判例を参考に限界事例、対処方法を10回ぐらいのコラムで一緒に考えていきたいと思います。
まずハラスメントに関する法規制について
セクシュアルハラスメント(均等法11条1項2項) 相手方の意に反した性的言動を行い、それへの対応によって、仕事を遂行する上で一定の不利益を与えたり(対価型セクハラ)、またはその言動により就業環境を悪化させる行為(環境型セクハラ)
マタニティハラスメント(均等法9条3項、11条の3第1項2項 育介法10条、25条1項2項) 妊娠・出産・育児休業・介護休業等を理由として不利益な取り扱いを行うこと、および制度利用等を阻害する、または就業環境に支障を及ぼす言動を行うこと
パワーハラスメント(労働施策総合推進法30条の2第1項2項) 職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、労働者の就業環境が害されるもの
事業主は、ハラスメントの防止に向けて就業環境が害されることのないよう、 当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならないとされている。 法的には、ハラスメントは企業が事業主として負う措置義務の対象として、予防等に取り組む必要がある。いづれも就業環境を害する行為が対象とされている。 ハラスメント問題の本質は職場環境論
よって、良好な職場環境を維持する観点から問題ある発言が対象とされるべきです。
この記事は私が書きました
三重県出身。工場の派遣バイトの傍ら社会保険労務士の資格を取得。中途採用で地元商工会議所勤務を経て、労働局の窓口業務を通して様々な事例を経験。 非正規就労の悲哀と行政の仕組みを熟知しているシナジー効果を強みとし、皆様のサポートをいたします。