訴状によると鹿沼市の50代男性は2019年4月、勤務先で起きた横領事件で身に覚えがないのに告訴され、懲戒解雇された。
翌年に詐欺罪で別の社員の有罪判決が確定した。男性の関与は認定されなかった。
男性は当時、逮捕されるのではという不安と解雇されたショックで気が沈むなどのうつ病の症状を覚え、労災申請のため翌月に鹿沼労働基準監督署を訪問。
同席した妻がこの際のやり取りを録音していた。録音によると、対応した職員は、精神疾患が絡む労災の認定はハードルが高いとして「認定になるケースは非常に少ない」「難しいのかなという印象は受ける」などと発言。
男性は労災申請書交付を希望して窓口を訪れたが、職員は労災制度のパンフレットを渡しただけだった。男性は職員の対応から労災認定は無理だと感じ、申請を諦めた。
男性はその後、その年の8月に命を絶った。妻は同月末に労災を申請。同署は20年8月、男性が横領への関与を否定したのに告訴され、職場から退職を強要されたことが強い心理的負荷になったと認定した。19年5月ごろに急性ストレス反応を発症、その後うつ病になったとして労災を認めた。
男性の妻は「職員の言葉で、労災申請は認められないとしか受け止められなかった。夫の死の一因は労基署側の対応にあり裁判で責任を問いたいと」国に330万円の損害賠償を求めて東京地裁に11日付で提訴した。
労災申請について、厚生労働省は2011年、労災認定の可能性が低いと説明するなどして「受付を拒むようなことは厳に慎む」と各労働局に通知。同省が定めた認定の実務要綱にも「相談者に請求を諦めさせるものと受け止められるような発言は絶対に行わない」と明記している。
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この記事は私が書きました
三重県出身。工場の派遣バイトの傍ら社会保険労務士の資格を取得。中途採用で地元商工会議所勤務を経て、労働局の窓口業務を通して様々な事例を経験。 非正規就労の悲哀と行政の仕組みを熟知しているシナジー効果を強みとし、皆様のサポートをいたします。