職場におけるハラスメント関係指針に以下の通りに述べられている。
⑸ 「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」言動とは、社会通念に照らし、当該言動が明らかに当該事業主の業務上必要性がない、又はその態様が相当でないものを指す。
ここでは、必要性と相当性で判断する(目的と手段に着目)点が重要になってくる。
1.不当な目的に基づく言動は業務上の必要性が否定される(パワハラに該当)
例)嫌がらせ目的、退職に追いやる意図に基づく言動
2.違法な業務命令や権限の範囲を超えた指導、説得等はパワハラに当たる。
①権限がないのに命令や指示と称して強制することはパワハラに当た。
例)上司の私的な事柄につき部下に対応を指示する。
②(権限があっても)明らかに業務上の必要性のない命令や指示はパワ ハラに当たる。
例)業務上の必要がないのに残業や休日労働を命ずる。
3.正当な目的に基づくもの(業務上の必要性あり)であっても、その言動が相当性(適切さ)を欠く場合はパワハラに該当する。
指針では、以下の様にも述べられている。
例えば、以下のもの等が含まれる
・ 業務を遂行するための手段として不適当な言動
・ 当該行為の回数、行為者の数等、その態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える言動
この判断に当たっては、様々な要素(当該言動の目的、当該言動を受けた労働者の問題行動の有無や内容・程度を含む当該言動が行われた経緯や状況、業種・業態、業務の内容・性質、当該言動の態様・頻度・継続性、労働者の属性や心身の状況、行為者との関係性等)を総合的に考慮することが適当である。また、その際には、個別の事案における労働者の行動が問題となる場合は、その内容・程度とそれに対する指導の態様等の相対的な関係性が重要な要素となることについても留意が必要である。
「ハラスメント発言は職場環境配慮義務に配慮した発言でなければならないこと」と考えると(前回のblog記事参照)、一度、職場でどのような発言が職場環境を害するかを話し合うのも一つの方法だと思います。
この記事は私が書きました
三重県出身。工場の派遣バイトの傍ら社会保険労務士の資格を取得。中途採用で地元商工会議所勤務を経て、労働局の窓口業務を通して様々な事例を経験。 非正規就労の悲哀と行政の仕組みを熟知しているシナジー効果を強みとし、皆様のサポートをいたします。