優秀な人材の流出防ぐことが重要

 今の日本では、次の2つの理由により、新たな人材を雇うことや現在の従業員を離職させないことが今後ますます難しくなっていきます。

少子高齢化による人口減少

 日本では少子高齢化が進み、人口は今後減少の一途をたどることが予想されます。国立社会保障・人口問題研究所によると、2053年には1億人を割り込み、2065年には8808万人になると予想しています。当然労働人口も減少するので人的資産が貴重になることは言うまでもありません。

働き方に対する考え方の変化

 終身雇用が崩壊した現代では、転職は珍しいことではありません。優秀な人材ほど自分の能力を発揮できる環境を積極的に探しているため、「この会社にこれ以上いてもメリットはない」とは判断したら、退職されてしまいます。そしてその穴を埋めるための人材を新たに雇用するのは決して容易なことではありません。
 だからと言って優秀な人材に退職を思い留まらせるために安易に昇給してしまうと人件費の上昇と利益のバランスが崩れてしまい、人件費のコントロールが難しくなってしまいます。

大事なのは人件費と利益のバランス

 給与制度とは、本来従業員の働きを評価し、その評価に応じて会社が得た利益を適切に分配するための制度です。従業員を「引きとめる」ためだけの制度になってしまうとどうなるのでしょうか。結果、労働分配率の上昇に歯止めが効かなくなってしまい、会社の利益がどんどん減少してしまいます。

 ではどうしたらよいのでしょうか。答えは、「引き止め」と「成果創出」の双方に有効な仕組みを作ることです。
 その中には「降給」も含まれます。「なぜ評価が下がったのか」という疑問が解消され、努力すれば評価が上がると期待できるような制度作りが必要です。

この記事は私が書きました