きついタイトルですみません。諺で「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」というものがあります。「分からないなら質問しろ」と安易に言いますが、無知だと質問自体が的外れで正しい答えに行きつかない。そういうレベルの人には、質問させてはいけないですよね。

そういう自覚もないのがもっと怖いです。というかその冒頭「分からないなら質問しろ」と平然と言える人間が怖いです。

事例:2か所で勤務する人の場合、社会保険の加入はどちらになりますか?

質問したい人というのは、質問の答えだけがほしいようです。しかも、一般論を聞きたいらしく詳細な情報を出す気はありません。まあ、そういうレベルの質問です。一般論でしたら「労働時間の長い方」となりますね。ここは社会保険労務士のブログですのでこのことをきちんと書くのもいいのですが、それはまた別のブログで書きますが・・・・・・。

後日、別の人にも同じように一般論として質問したらしいのです。その人(専門家です)は「稼ぎの多い方で」と答えたらしいのです。

まあ、一般論ならそれも間違いではない。一般には、労働時間が長い方が収入も多いでしょう。もちろん例外なんていくらでもありますが、一般論を話題にする場合ではそれはキリがないのでやめておきますね。

詳しく聞くと、副業は夜の仕事で毎日22時から3時間ほどとのこと。時給単価でいえば昼の仕事の3倍。労働時間でいえば、昼の仕事は1日6時間程とのことなのです。・・・・・・賃金で言えば、夜の仕事の方が多いですよね。

どちらが正しいか訳が分からなくなってしまいました・・・・・・

あ、社会保険労務士である私なら何も困らないのですよ。正しい答えを導き出すことができます。そういうことではなく、質問した人がもう袋小路に入り込んでしまって途方に暮れているという話なのです。

問題は、別の専門家が全く逆の回答をしたという事実があること。こうなってしまうと、困惑してしまうのです。しかもその二者択一で、もう1人の方を選んだとします。あの回答は例外を意識したものではありませんから、今回のような例外案件では間違った回答になるでしょう。

そんな時、私の側から助けてあげられないんですよね。二者択一で向こうを選んだ以上、どうしようもありません。そもそも難しい判断を嫌うタイプですので、事情に応じて柔軟に対応すると言うのが出来ないのでしょう。

このブログの主題は「正しいのはこちらですよと導くこと」ではないんです。正しい答えに辿り着けない苦悩を感じ取ってほしいわけなのです。全くの無知では質問もできないということに気付いてほしい。

もちろん私は、仕事として質問をお聞きする際には、こんな感じで袋小路に迷い込んでしまわないように気遣うことを最も大切にしています。

ちょっとした質問といえども難しいと感じる一方で、難しさを予め感じ取るなんて通常はなかなかできないでしょう。まあ、私は仕事柄、全く別ジャンルのことでもこういう危機意識は大事にしなければいけないなと心に強く刻んでいます。

この記事は私が書きました