人間関係からの切り離し【パワハラ類型③】について東京地判平 14.7.9・国際信販事件を見てみたいと思う。

【事案】
XがY1社に入社間もなく、Xの業務遂行に対する不満から旅行事業部の一部の従業員がXに反発し、XとHが男女関係にあるとの事実に反するうわさを社内に流布し、社長Y2らは、xから事態の改善を求められたが特段の措置をとらなかった。Y1社はHを懲戒解雇し、Xを再び内勤業務としたが、Xにのみ約2か月間具体的な仕事を与えず、その後も仕事らしい仕事を与えず、Xはその間も他の従業員からホワイトボードに「永久に欠勤」と書かれたり、繰り返し嫌がらせを受けた。
【判旨】慰謝料150万円
これらの一連の行為は、その経緯に照らすと、XをY1社の中で孤立化させ、退職させるための嫌がらせと言わざる得えない。

上司と部下の関係が悪化している状況下で、当該部下が望まない部署に配転するといった人事権の行使を行う場合、この類型のパワハラであると主張されるリスクが生じる。
これに対応するためには、相応の合理的な理由を説明できるようにしておく必要がある。

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