障害年金の相談を受けていて、よくあるのが「こんなに大変な状態なんだから、当然もらえると思った」という声。でも現実は甘くありません。障害年金は“診断書を出したら終わり”ではなく、受給できるかどうかは【どんな診断書を、どんな内容で、どんな根拠で提出するか】にすべてがかかっています。

まず押さえておきたいのは、障害年金の審査は“病名”で判断されるわけではないということ。うつ病、統合失調症、がん、脳梗塞――これらはすべて対象になる可能性がありますが、問題は「それによって、どれだけ日常生活が制限されているか」。つまり、どれだけ“できないこと”があるかが勝負のポイントです。

ここで重要になるのが「日常生活能力の程度」。例えば、「着替えに介助が必要」「薬を自己管理できない」「外出すると迷子になる」など、生活のリアルな困難さを、診断書と病歴・就労状況等申立書に落とし込む必要があります。

しかし、ここが一番の落とし穴。医師が軽く「この人は軽症」と見てしまえば、診断書もそれなりの内容になり、審査は通りません。実際、本当は受給できるはずの人が、診断書の内容が弱いだけで落ちている例は山ほどあります。

だからこそ大事なのは、医師に正しく伝えること。「いつも元気に見えるから大丈夫」と見せていた自分を脱ぎ捨て、生活の不便さやしんどさを“演技ゼロ”で正直に話すことがスタートラインです。 そしてもう一つ。病歴・就労状況等申立書(本人が書く生活状況の説明)に嘘を書かない、でも美化もしない。

見栄もプライドも捨てて、「困っている現実」をそのまま書くことが肝心です。

この記事は私が書きました

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