「タイムカードが合わない」「残業時間の申告がバラバラ」「給与計算が毎月ギリギリ」——

こうした勤怠管理の悩みは、多くの中小企業に共通するものです。

特に従業員数が10名を超えるようになると、エクセルや紙の管理では限界を迎え、集計ミス・申告漏れ・労基署対応のリスクが一気に高まります。

そこで近年注目されているのが、「クラウド勤怠管理システム」の導入です。

本記事では、クラウド勤怠のメリットと、実際にトラブルを激減させた中小企業の導入事例をご紹介します。


【1】クラウド勤怠管理とは?

クラウド勤怠管理とは、インターネット上でリアルタイムに打刻・集計・管理を行えるシステムのことです。

主な機能は以下の通り:

  • スマホ・PC・ICカードなどによる打刻
  • GPS機能での位置情報記録
  • 有給管理・残業集計・シフト作成
  • 給与ソフトとの連携・API接続
  • 管理者のリアルタイム確認・承認機能

これらをクラウド上で一元管理することで、「勤怠に関する手間とリスク」を大幅に削減できます。


【2】トラブルを防ぐ3つの効果

クラウド勤怠の導入で、具体的にどのようなトラブルが防げるのか?以下に代表例を挙げます。

不正打刻・代行打刻の防止

従来の紙や打刻機では「同僚に押してもらう」といった代行が可能でしたが、

クラウド勤怠では顔認証・位置情報・生体認証などで本人確認が可能となり、不正を未然に防ぎます。

過重労働の早期発見

労働時間がリアルタイムで集計されるため、「今月の残業が40時間を超えそう」といったアラート機能が働き、労基署対策にも有効です。

有給管理・36協定の遵守

法定通りの有給付与・取得義務管理、また時間外労働の上限チェックなども自動化でき、担当者の負担を大幅に軽減できます。


【3】中小企業の成功事例:製造業A社の場合

名古屋市内の製造業A社では、従業員数は30名。

以前は紙の出勤簿とエクセルで管理していましたが、集計ミスが頻発し、毎月の給与計算に丸2日以上かかっている状態でした。

そこで2024年にクラウド勤怠システムを導入。スマホ打刻とPC打刻を併用し、管理者は出退勤データをリアルタイムで確認できるように。

その結果——

  • 給与計算の作業時間が 2日→2時間 に短縮
  • 未申告の残業や不正打刻がゼロに
  • 年次有給の管理が正確に行えるようになり、労基署の是正勧告も回避

さらに、給与計算業務を弊社(社会保険労務士法人HRM)にアウトソーシングしたことで、総務担当者は本来の業務に専念できるようになりました。


【4】導入時の注意点と補助金活用

導入の際には、以下の点に注意してください。

  • 就業規則との整合性(打刻ルール・休憩時間など)
  • 管理者の運用研修の実施
  • モバイル端末の扱いに関するガイドライン整備

また、クラウド勤怠の導入には**「業務改善助成金」**が活用できます。

賃金アップと業務効率化をセットで進めれば、最大600万円まで支給される可能性もあり、導入費用の負担を大きく減らすことができます。


まとめ

クラウド勤怠管理は、単なる業務効率化の手段ではなく、労務リスクの軽減・労働環境の改善・DX化推進に直結する重要なツールです。

今や「導入していないこと自体がリスク」になり得る時代。

自社に最適なシステム選定から、就業規則の整備、助成金申請、アウトソーシングまで、

社会保険労務士法人HRMがトータルでサポートいたします。お気軽にご相談ください。

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