前回、働き方改革の重要性と現場が抱える課題についてお伝えしました。しかし制度を整えるだけでは、真の意味での改革は進みません。最も大切なのは、働く一人ひとりがこの「改革」を自分ごととしてとらえ、現場での小さな行動から変化を起こすことです。

誰かが変えてくれるのを待つのではなく

働き方改革という言葉を聞くと、どうしても「経営者がやること」「人事が考えること」と捉えがちです。しかし実際に改革を体感するのは、職場で働くすべての社員です。たとえば、部下が「今日は子どもの都合で早退します」と言ったとき、それを快く認められるか。「そんなの甘えだ」と感じてしまえば、どれだけ制度が整っていても活用されることはありません。

改革を進めるうえで大切なのは、“働き方”への価値観を職場全体でアップデートしていくことです。

小さな工夫が職場を変える

改革というと大がかりなプロジェクトを想像しがちですが、実際には「今すぐ始められる小さな工夫」こそが、長く続く改革の原動力になります。

  • 会議を30分以内に終わらせるルールを設ける
  • 定時退社デーを自部署で勝手に設定する
  • 勤怠管理や業務報告をデジタル化して属人化をなくす

こうした取り組みは、特別な予算やシステムを必要とせず、むしろ現場の創意工夫で進められる改革です。

「働きやすさ」は「働きがい」につながる

働きやすさを追求することは、単なる“楽さ”を目指すものではありません。限られた時間の中で効率的に成果を出す体制を整え、仕事に対して前向きな姿勢を生み出すこと。つまり、「働きやすさ」と「働きがい」は表裏一体です。

ある中小企業では、フレックスタイム制と月1回のリモート勤務を導入したことで、社員のストレスレベルが大きく低下し、離職率が半減しました。同時に、提案制度や社内プロジェクトへの参加が増え、職場の活性化にもつながったといいます。

社労士として、現場の一歩を応援します

制度導入はゴールではなく、スタート地点です。運用に悩んだり、現場の納得が得られなかったりすることもあるでしょう。だからこそ、私たち社会保険労務士が、制度設計・助成金活用・現場説明までを一貫して支援し、変革のプロセスを伴走します。

改革は“経営のための課題”であると同時に、“人の幸せのための仕組み”でもあります。その第一歩を、あなたの職場から踏み出してみませんか?

この記事は私が書きました