政府は17日、日本で働く外国人の高度人材を増やす新たな受け入れ策を決定した。

4月の開始をめざす新たな誘致策は2本柱からなる。一つは在留資格「高度専門職」の取得要件の拡大だ。優遇した条件で入国できる高度専門職は現在、学歴や職歴、研究実績などに応じて点数を積み上げ一定の水準に達した場合に認定する。研究者と技術者、経営者の3類型がある。今後は年収を軸にする新たな要件を加える。

研究者と技術者は「修士号以上の取得と年収2000万円以上」もしくは「職歴10年以上と年収2000万円以上」に定める。経営者は「職歴5年以上と年収4000万円以上」と設定する。通常は高度専門職は永住権を得るまでに3年かかるが、新しい資格では1年に短縮する。雇える外国人の家事使用人を現行の1人から2人に増やし、配偶者がフルタイムで働ける職種を拡充する内容も盛り込む。

2022年1〜6月に高度専門職と認められた人は3275人だった。そのうち新規入国者は783人にとどまる。より基準が緩い「技術・人文知識・国際業務」などの資格でいったん入国したあとで切り替える例が多い。

もう一つが世界上位の大学卒業者の日本企業への就職の促進だ。在留資格の「特定活動」に「未来創造人材」という枠を設ける。現行は「短期滞在」として90日しか認めない滞在期間を2年に延ばす。英国や中国の機関が出す3種類の大学ランキングのうち2つ以上で上位100位以内に入る大学を卒業してから5年以内の人を対象にする。家族の帯同も許し、能力のある人が時間をかけて日本での就労を考える機会を用意する。

円安のいま、日本で働くことにどのような価値を与えられるか、想像力が試されるところである。

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