2019年に亡くなったNHKの首都圏放送センター(当時)所属の40代男性管理職が労災と認定された問題で、NHKは30日、上司だった同センターの専任部長と労務担当の副部長2人を減給の懲戒処分とすると発表した。
発表によると、3人は職員の業務量を把握する立場だったが、業務量を調整したり、休日取得を促したりするといった取り組みを徹底できていなかったとしている。
13年に同じ都庁担当記者が過労死したことを受けた再発防止策の中で、長時間労働者には複数のルートで産業医面談を勧奨することとし、男性も進められていたが、面談は行われていなかった。
皆さんご存じの電通事件(最高裁平成12年3月24日判決)は、次のように述べています。
「労働者が労働日に長時間にわたり業務に従事する状況が継続するなどして、疲労や心理的負荷等が過度に蓄積すると、労働者の心身の健康を損なう危険のあることは、周知のところである。労働基準法は、労働時間に関する制限を定め、労働安全衛生法65条の3は、作業の内容等を特に
限定することなく、同法所定の事業者は労働者の健康に配慮して労働者の従事する作業を適切に管理するように努めるべき旨を定めているが、それは、右のような危険が発生するのを防止することをも目的とするものと解される。これらのことからすれば、使用者は、その雇用する労働者
に従事させる業務を定めてこれを管理するに際し、業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務を負うと解するのが相当であり、使用者に代わって労働者に対し業務上の指揮監督を行う権限を有する者は、使用者の右注
意義務の内容に従って、その権限を行使するべきである。」
厚生労働省も、我が国においては依然として長時間労働が問題となっており、長時間労働の削減は喫緊の課題となっている。これに取り組むため、「働き方の見直し」に向けた企業への働きかけや、長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導の徹底等を行ってるとしている。
今一度、長時間労働への対応ができているかの見直しが必要だと思われます。
対応に不安のある事業主の方は当事務所にご相談ください。
この記事は私が書きました
三重県出身。工場の派遣バイトの傍ら社会保険労務士の資格を取得。中途採用で地元商工会議所勤務を経て、労働局の窓口業務を通して様々な事例を経験。 非正規就労の悲哀と行政の仕組みを熟知しているシナジー効果を強みとし、皆様のサポートをいたします。