人材ビジネス全般を、事業者としてではなく行政の立場から長年にわたって見続けてきた社会保険労務士です。社会保険労務士法人HRM三重オフィスの責任者を担いつつ、人材ビジネスに関しては当法人全体を担当しています。

キャリアアップに資する教育訓練とは

許可を受けた労働者派遣事業者には、キャリアアップに資する教育訓練を行うことが義務付けられています。便宜上、年8時間とはしていますが、実効性よりもまずは「許可事業者としてそれを意識づけること」を目的としているように感じます。現に、許可要件としては実施した時間数についての報告義務はありますが、成果を求めてはいません。すなわち、キャリアアップを果たしたこと自体を必須とまではしていないのです。……労働者派遣事業者であって教育事業者ではありませんからね。

人材ビジネスにとって、派遣労働者の皆様は「商品」に相当します。であるならば、主力商品をより魅力的なものにする取り組みは、営利活動としてはごく真っ当なことのはずです。それを行なわない方がよほど不自然ではないでしょうか?

派遣労働者(≒自社の商材)の価値を高める取り組みを!

すなわち、キャリアアップに資する教育訓練とは、派遣労働者の価値を高める商品開発としての取り組みを意味します。そこが、単なる訓練とは異なるのです。単に、仕事が出来るようになることを訓練するのではなく、それは手段に過ぎなくて「派遣料金を獲得する営業ツール」というわけです。つまり、取引先(派遣先=就労場所)に対して、料金単価を高める取り組みになります。

この記事は私が書きました