ベテランに比べ、新人に対する指導や注意には配慮が必要であるとする裁判例がある。

O県貨物運送事件(仙台高判平成26年6月27日)
「Yの叱責は、社会経験、就労経験が十分でなく、大学を卒業したばかりの新入社員であり、上司からの叱責に不慣れであったXに対し、一方的に威圧感や恐怖心、屈辱感、不安感を与えるものであったというべきであり、Yの叱責がXに与えた心理 的負荷は、相当なものであったと認めるのが相当である。」
「Xに対する指導に際しては,新卒社会人であるXの心理状態、疲労状態、業務量や労働時間による肉体的・心理的負荷も考慮しながら、Xに過度の心理的負担をかけないよう配慮する義務を負っていた」

新人や業務経験が不足している者との関係では、ベテランに対して通常行っている叱責であっても問題とされる可能性がある。
また、業務上の指導や注意について、相当な範囲を超えるか否かは、職務内容が危険を伴う業務であるか通常のオフィスワークであるかによって異なり得るので注意が必要である。

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