人材ビジネス全般を、事業者としてではなく行政の立場から長年にわたって見続けてきた社会保険労務士です。社会保険労務士法人HRM三重オフィスの責任者を担いつつ、人材ビジネスに関しては当法人全体を担当しています。

とある顧問先(派遣先)で、派遣で働く人のことが話題になった

社会保険労務士の仕事柄、顧問先では経営幹部や総務担当者とお話しすることが多いです。私たちHRMでは、直接雇用の労働者のみならず労働者派遣も含めた多様な働き方についてアドバイスや人材戦略についてサポートしていますが、来ていただいている派遣労働者については全く把握していないとおっしゃるのです。

労働者派遣法が許可制に一本化されて間もなく7年になるのです(平成27年9月30日施行)。この頃から、派遣先にも相応の責任が求められるようになったのですが、現場で管理しているということはまるで“日常の消耗品”のような扱いのような印象を持たざるを得ません。・・・昔でしたら確かにそうだったのです。現に、法人(個人事業主)の経理処理においても、人件費ではなく備品の一種のような扱いにはなるとはいえ、労働者派遣法では派遣先での責任も定められているのです。

派遣先における一元管理の重要性

いくつかの部署がそれぞれ派遣労働者を活用なさっている場合、「抵触日」の取り扱いには注意が必要です。むかしは、部署単位だけでしたが、現行法では「事業所単位の抵触日」というものがあります。これを正しく運用するには、一元管理が欠かせません。そして、当然ながら派遣で来てくださっている方の管理について書面で行う必要がありすし、書類の保管義務も定められています。

派遣労働者といえども、経営者から見れば「指揮命令下にある者」という意味で正社員(≒直接雇用)との違いはありません。指揮命令下にある者全てを把握する体制を整えることは常識だと思っていましたが、いろんなお考えの方がいらっしゃるようですね。

それでも、昨今の労働者派遣法ではその感性では何か躓く場面もあろうかと思われます。

【注意】各部署が事業所として独立性がある場合もありえます

これは、工場のような場合です。工場ごとに労働保険の事業所番号を取得している場合、すなわち事業所としての独立性が高いです。労務管理について責任を負っていることになります。期間工や派遣労働者で組織されている場合ですと、工場ごとに労働保険番号を取得するのは実は本来あるべき正しいやり方ではあるのです。

一方で、全社的に従業員を一元管理するためにひとまとめにしてしまっている事例もあるようです。これは労働局からみると好ましくない方法とされています。

結局のところ、何が正しいの?。そういった勘所をおさえた社会保険労務士が、私たちHRMには所属しています。

この記事は私が書きました

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